ラジオ『リトルバスターズ!』









       ラジオ『リトルバスターズ!』 written by 七夜彼方






 「ラジオをしよう。番組名は……リトルバスターズだ」

 最早お決まりの恭介の言葉。しかし、今回は何だか意気込みがいつもと違う。

 「勿論、録音した物は放送する。放送枠はねじ込んであるから気にしなくていいぞ」

 「質問なんだけど……」

 「どうした?」

 「内容はどうするの?メールとか募集しなきゃいけないし……」

 「案ずるな理樹。既に学校ホームページの中にそれぞれのコーナー用を設けてある」

 「コーナーって?」

 「勿論、全員分の趣味にあったコーナーさ。俺と来ヶ谷で考案した」

 そのペアが考えたというだけで、何処かしらに不安を感じるんだけど……。

 「では、コーナーを発表する。まず小毬」

 「ふぇ?」

 「お前のコーナーは『お菓子大全』だ。視聴者から寄せられたお菓子に、一つ一つコメントをしていく、というものだな」

 「また、普通に小鞠さんに似合った企画だね……」

 「当たり前だろう。私と恭介氏が考えたのだ」

 だからこそ、僕の番が来て欲しくないんだよ……。

 「次に西園姉妹。お前には『○○×△△』のコーナーを担当してもらう」

 「読みづらっ!そして意味が分からないよ!」

 「内容は……言わなくても分かるよな?」

 「……愚問です。『直枝×棗』はベスト……といった感じで良いのですか?」

 「お姉ちゃん、目が怖いなあ……。私としては『理樹君×私』とかでいきたいんだけど……」

 「基本的には、校内の西園族から送られてきたCPの批評をしてもらおう。だが、一つだけなら妄想OK」

 「おー!待っててね理樹君!」

 「ここは敢えて『棗×井ノ原』というのも……」

 「……何気に恐ろしい案が聞こえたな……。因みに、極稀に普通に男女ペアとか、GLとか来るから気をつけろ」

 「分かりました。考えておきます」

 「む、私としては『お姉ちゃん×私』ていうのは有りだと思う」

 「何の話!?ねえこれ何の話!?」

 「続いて三枝と二木」

 「スルー!?」

 「お前達のコーナーは『兄弟姉妹のエピソード』だ。在り来たりだが、それ故に面白い」

 「おー!経験豊富なはるちんにピッタリのコーナーって訳デスネ!」

 「良く分からないけど、私は葉留佳を抑える役でいいのかしら?」

 「……うん。多分葉留佳さん相当に暴走するだろうしね……」

 元々、こういったお祭り騒ぎが好きな葉留佳さんの事だ。放送禁止用語だろうが何だろうがお構い無しになるかも。

 「クド。お前には『私の常識』コーナーを任せる」

 「というと……ワビ&サビという奴でしょうかっ?」

 「いや、微妙に違うと思うよ……。侘び寂は情緒のことだからさ……」

 「視聴者から送られてくる、『自分にとっての常識』メールに、反応を返すコーナーだ」

 「わ、わふー。何だか難しそうなのです……」

 「いや、あんまり難しく考えなくていいと思うよ。楽しむ心算でやれば」

 「そ、そうですよね。頑張るのですっ!」

 「よし。次は真人と謙吾。『これだけは極める』のコーナー」

 「筋肉を語ればいいのか?」

 「ならば俺はジャンパーを語ればいいのか?」

 「いやいや、それじゃコーナー成立しないから……。て言うか謙吾は剣道について語ろうよ……」

 「まあ、おおよそ間違いではないな」

 「筋肉とジャンパーで間が持つの!?」

 「あ?何だ理樹。お前、筋肉について語っていたってどうせ誰も聞きやしないしあるだけ時間の無駄だから他のコーナーに尺を回してく ださい、とでも言いたげだなあ!?」

 「ジャンパーさいこーう!俺はこれだけで3時間は語れる!」

 「取り敢えず落ち着け。このコーナーではリスナーからの『極めた』体験談を批評するコーナーだ。
 勿論、筋肉やジャンパーを極めた奴からメールが送られてきた場合は、語っても構わないぜ?」

 「いや、この二人がパーソナリティなのにそのお題を送る人はいないと思う……」

 「続いて来ヶ谷。コーナーは『A×B』」

 「何か名前が西園さんたちと似てるんだけど!?」

 「二つの箱に、それぞれ『名前』と『衣装』が書いてあるカードがある。その組み合わせを実際に着て貰おう」

 「お便りの存在は!?」

 「大丈夫だよ少年。『衣装』はお便りの案から選ばれる」

 「……来ヶ谷さん、自分で投稿したりしてないよ……ね?」

 「……恭介氏、次だ」

 ……絶望的だ。この人なら、狙った組み合わせを引き当てるぐらいやりかねない。

 「鈴と笹瀬川。お前達のコーナーは『ネコの気まぐれトーク』。ま、普通に雑談をするコーナーだ」

 「何で私が棗鈴と同じコーナーの担当なんですの!?」

 「こっちが聞きたいわ、ぼけー」

 「因みに、気まぐれで成り立ってるから基本的に何してもOK」

 「蹴ってもいいのか?」

 「……誰を、蹴るつもりなのかしら?」

 「お前以外に誰がいる」

 「はいはい。それ以降は本番でやってくれ。んで、残りは三人。朱鷺戸は『魂の叫び』で」

 「……何そのコーナー」

 「リスナーから送られてくる、ドンマイな出来事に、朱鷺戸が代わって自虐するコーナーだな」

 「ちょっと!何であたしのコーナーだけ自分にダメージが来るのよ!?」

 「まあまあ落ち着いて……。この後、僕が一番酷い仕打ち受けるから……」

 「ま、当たり前だが俺のコーナーは『棗恭介の一問一答』だ。それで、最後に理樹のコーナーだが……」

 「…………」

 「悪いが、まだ考えてない」

 「えぇ!?僕の覚悟の意味は!?」

 「どっかのコーナーに入るか?小毬か能美か真人&謙吾か鈴&笹瀬川か」

 「今、意図的に省かれた人の判断基準は!?」

 「そりゃあ、お前はあんまり自虐とかはしないし、三枝たちの兄弟でもない。
 俺のコーナーは題名に名前が入ってる以上、他の奴に答えさせる訳にはいかない」

 「……来ヶ谷さんと西園さん達は?」

 「まあ、その時はお前はコーナー担当出来るほど暇じゃないからな」

 「何で!?既に企画への参加決定済みみたいな言い方だよ!」

 「それで、どうするんだ?」

 「うん……まあ、無難にクドに突っ込む事にしとくよ……」

 「いい判断だ。だが、鈴達のコーナーの方が楽かもしれないぞ?」

 「いや、それは中の人の都合上さすがにきついかなあ、と思って」

 「お前、知らないうちに随分大人になったな……」

 結局、クドのコーナーの補助をすることに。

 「それじゃ、早速録音しよう。ひとつ隣の部屋に準備が出来てる」







 「やたらと本格的な……」

 「ま、仕事としてやってた人に依頼したからな。好評だったらまたやるかも知れない、とも言っておいた」

 「まず、このラジオを聞けるかどうかが問題だよ……」

 と言うか僕だったら、聞けても周波数変えると思う。

 「準備はOKだ。あと一分で始まる」

 その一言に、全員が一斉に口を閉じる。
 少しすると、恭介が指でカウントダウンを始めた。5,4,3,2,1……。






 恭「皆さん代打バース!本日限りの生放送ラジオ番組、『リトルバスターズ!』の時間です」

 理「いきなり空耳から!?ていうか『本日限り』って言葉のせいで何かご臨終みたいだし!」

 恭「理樹、突っ込むの早いな……。生放送だぜ?」

 理「だったら余計にまずいでしょ!」

 恭「そんなこんなで、最初のコーナー」

 理「ついに恭介にスルーされた!?」

 恭「鈴と佐々美の『ネコの気まぐれトーク』です」

 鈴「いやじゃ」

 恭「何故だ」

 鈴「緊張する。めちゃくちゃ、いやもうくちゃくちゃ緊張する」

 佐「あら。そんなではコーナー担当など務まらなくてよ?」

 鈴「ならしゃしゃみゅがやれ」

 佐「さ・さ・み、ですわよ!噛み過ぎて原型が無くなってますわよ!」

 鈴「さささみがやればいい」

 佐「多いですわよ!」

 鈴「佐々木がやればいい」

 理「誰!?」

 恭「はい。終了」

 佐「わたくしの出番これだけですの!?」



 恭「次は小毬の『お菓子大全』だな」

 小「はいは〜い。早速、いってみましょ〜」

 理「一通目。『じゃがり●』」

 小「うん。美味しいよね〜。お湯を掛けたりしてもいいかもですよ?」

 理「二通目。『ピュレ●ミ』」

 小「酸っぱいけど、一度食べると何だか癖になるよね〜」

 真「すげえ……普通に成立してやがるぜ……」

 恭「正直、ここまで普通だとは俺も思ってなかった」

 理「三通目。『ポ●キー』」

 小「あのチョコの部分だけ食べれる人って、凄いよね〜」

 来「うむ。ゲームをする時は女の子同士で行うと良い」

 小「ふええ!そ、それでも恥ずかしいよ〜ゆいちゃん」

 来「だから、ゆいちゃんと呼ぶなと……」

 理「四通目。『●ゲキックス』」

 小「あれは酸っぱいよね〜。食べると自然と目を瞑っちゃうよ〜」

 ク「私としては、『梅かつお味』の復活希望、なのです!」

 理「凄くマイナーな味だね……。最後。『男梅』」

 小「ふえ?それは食べた事無いなあ」

 真「俺持ってるけど。食うか?」

 小「あ、うん。ありがとね〜」

 ヒョイ、パク。

 全「……………………」

 小「ふえええん!酸っぱい〜〜〜!」

 来「ああ、可愛い……」

 理「ああ!良く見たら差出人が『来ヶ谷唯湖』だった!」

 恭「と言う訳で、小毬が泣き始めてしまった所で、このコーナーは終わりな」



 恭「次のコーナーは西園姉妹。『○○×□□』」

 理「何か、微妙に変わってる気が……」

 魚「それでは、早速。一通目は『棗兄×直枝』です。定番と言えば定番ですが」

 鳥「と言う訳で、はいどうぞ」

 理「へ?僕何かするの?」

 魚「そこに書かれている台本を読むだけで結構です」

 理「はあ……。凄い嫌な予感がするんだけど……」

 恭「面白そうじゃないか。俺のはあるか?」

 魚「こちらをどうぞ」

 恭「サンキュ。んじゃ、始めようか」



 理『恭介……』

 恭『理樹……俺、もう我慢できねえよ……』

 理『うん……。僕も、今丁度そう思ってたんだ……』

 恭『来いよ、理樹。今日は俺がリードしてやるから……』

 理『あっ、ちょ、ちょっと恭介……。いきなり……』

 恭『嫌か?』

 理『……そんな訳、ないよ……』



 理「いきなりもう嫌だー!」

 恭「そうか?俺は結構楽しめたが」

 鳥「恭介さんは、元からそのケがあるからね」

 魚「…………ほう」

 理「帰っていい?と言うか帰らせてくださいお願いします」

 恭「まだ一通目だぞ?少なくとも三通はやらないと」

 理「今の言葉から『後二回だから頑張れ』の意味を受け取ったのは僕だけ?」

 魚「仕方ないです……。それでは、直枝さんには休んでいただいて、二通目。『三枝×二木』」

 葉「おー!良く分からないけどはるちんの出番ですネ?」

 佳「何故、私まで付き合わなくちゃいけないのかしら……」

 魚「それでは、こちらの台本でどうぞ」



 葉『お、お姉ちゃん……』

 佳『力を抜きなさい、葉留佳。じゃないと余計に痛くなるわよ?』

 葉『うん……。……んっ!』

 佳『ああ、葉留佳……。私ももう……』

 葉『いいよ、お姉ちゃん……。一緒に……』

 佳『葉留佳っ、葉留佳!』



 佳「………………」

 葉「およ?お姉ちゃんどうしたの?」

 佳「姉として、捨ててはいけないプライドを捨てた気がするわ……」

 葉「そんなことないよ?だって佳奈多は私のお姉ちゃんだもん!」

 佳「葉留佳…………」


 魚「……プライベートでもあまり変わりませんね」

 鳥「そうだねー。私達もやる?」

 魚「いやです。私にはあんな演技は出来ませんから」

 恭「人形劇の時は、俺達の中で一番上手かったと思うが」

 魚「そんな事より、三通目です。『直枝×?』」

 理「『?』ってなにさ?」

 魚「メールによると、メンバーの中であみだくじで決めていいそうです」

 理「随分アバウトだね……。何で僕の名前は既に入ってるのかな……」

 来「と、いう訳でくじは作っておいた。私が最後に引けば不正もないだろう」

 謙「前もって用意されてるのは何故なんだ……?」

 ク「わふー。どれを選べばいいのでしょうか……」

 理「いや、あみだだから勝つ方法とかないし」



 理『それじゃ、咥えて』

 沙『う、うん……あむ』

 理『そう……。出来れば歯も使うといいよ』

 沙『んっ…んんっ』

 理『もうちょっと早くてもいいかも……』

 沙『ん……』

 理『ちょ、ちょっと、早いって!ああもう駄目ー!』

 沙『ん!?ん、んむーーっ!』



 理「どういうシチュエーション!?」

 魚「『中々剥けない魚肉ソーセージのオレンジ色のビニールから、ソーセージの先を噛んで抜こうとして千切れた』です」

 沙「そ、そうだったの?私はてっきり、その……」

 理「沙耶もそれ以上言わなくていいから!」

 佳「変態ね……変態」

 理「久しぶりに聞いたよ……。ていうか、今の説明聞いてた!?」

 恭「んじゃ、これで西園姉妹のコーナーは終わりな」

 鳥「えー!?私まだ『理樹君×私』やってないのにー!」

 理「本人から指名されたら、尚更台本読むのが嫌だよ……」

 鳥「……理樹君は私のことなんてどうでもいいの?」

 理「い、いや、そういう訳じゃなくて……。美鳥は大切な仲間で……」

 鳥「……只の仲間じゃ、嫌だよ……」

 理「へ?み、美鳥?」

 鳥「理樹君…………」

 全「はい、ストップ」



 恭「んじゃ次は、真人と謙吾のコーナー……」

 真「やっと筋肉の出番が来たな!」

 謙「ふん……。俺のジャンパーの目に見えないお洒落まで、完璧に語ってやろう」

 恭「は、時間の都合でカット」

 真&謙「何いぃぃぃぃぃ!!?」

 恭「いや、だって一通もメール来なかったしな、このコーナーだけ」

 真「じゃあ俺の出番これで終わりかよ!」

 恭「お前はさっきからちょこちょこ出てるだろ。むしろ笹瀬川が最も出番が少ない」

 佐「貴方がわたくしのコーナーを適当に終わらせたからですわよ!」

 鈴「何だ、お前まだ居たのか」

 佐「……喧嘩売ってるんですの?」

 謙「5マーーーン!」

 佐「宮沢様!?いくらなんでも高いですわ!」

 真「2マーーーン!」

 佐「何処かに消えてくださらないかしら、この筋肉達磨」

 真「態度変えるにも程があるだろうが!お前こそ喧嘩売ってんのか!?」

 謙「10マーーーン!!」

 真「高えよ!何で『鈴×笹瀬川』より値が上がってんだよ!」

 恭「はいはい。あんまり五月蝿いと部屋から追い出すぞ」

 来「もしくは刈る」

 佐「何をですの!?」

 小「さーちゃんもゆいちゃんも、喧嘩しちゃだめだよ〜」

 来「私は喧嘩などしていないから、そのゆいちゃんは止めて欲しい。……まあ、今回はクドリャフカ君に免じよう」

 ク「わふっ!?何だか本能が危機を訴えているのです!?あいはぶでんじゃーです!」

 理「英語はともかく、取り敢えず離れて、来ヶ谷さん」

 鈴「お前らうっさい。少し静かにしろ」

 理「随分久しぶりに喋ったね……」

 恭「つう訳で、次は理樹と能美のコーナーな」

 理「別にいいけど、どういう脈絡から繋がったのか全く分からないね」



 理「それじゃ、早速だけど一通目。『私の家ではお好み焼きにソースとケチャップとマヨネーズ、その上に鰹節、青海苔をかけます』」

 ク「いきなり反応が難しいのですがっ!?」

 理「まあ、いいんじゃない?そういう所の好みも含めて、お好みなんだしね」

 ク「そ、そうですねっ!」

 来「ああ、可愛い……」

 鈴「こわっ!こいつ目が怖いぞ!」

 魚「……いつものことです」

 鳥「いつものことだね」

 佐「何でこの人たちはこんなに冷静でいられるのかしら……」

 佳「いつもはこれ以上に騒がしいからだと思うけど」

 真「へっ、ありがとよ」

 佳「誰が貴方を褒めたのよ、このバンダナ男」

 謙「新しい切り口だな……。筋肉を敢えて無視してバンダナを貶す……流石だ、二木」

 佳「お褒めに預かりどうも」

 真「俺の筋肉を無視するんじゃねえよっ!」

 理「それじゃ、二通目に行こうか」

 沙「理樹君がこの中でも更に一番落ち着いてるのよね……」

 葉「まあ、理樹君ですしネ」

 小「理樹君だからね〜。色んな経験をしてるんだよ〜」

 佐「その言葉を聞いて、同情の念を抱いたのは初めてですわ……」

 理「二通目。『僕の家では、ゲームは一日31時間までと厳格に定められています』」

 ク「定まってないですっ!?ぶれいく・ざ・たいむりみっとです!?」

 真「どういう意味だ?」

 鈴「おい理樹。ここに馬鹿が居る」

 真「じゃあお前は分かったのかよ!」

 鈴「分かるか、ぼけー!」

 真「ふ……俺がいつまでもお前の蹴りを受けるだけと思うなよ……」

 沙「あれは……!白刃取りならぬ踵取り!?」

 来「うむ。周りからは捲れ上がったスカートの中が丸見えになる、素敵な技だ」

 鈴「うにゃっ!?見るな、ぼけー!」

 来「ああ、可愛い……」

 魚「……先ほどからそれしか言ってませんよ?」

 理「それじゃあ、最後のメール。『もう……ゴールしても、いいよね……。僕、頑張ったよね……』」

 ク「危ないです!?今すぐほすぴたーに行くべきなのです!」

 来「おや、能美女子にメールだ。『色んなわふーをやって見せてください』」

 ク「コーナーの趣旨は無視なのですか!?」

 来「ケ−ス@。嬉しい時」

 ク「わ、わふー!」

 来「悲しい時」

 ク「わふー……」

 来「驚いた時」

 ク「わふっ!?」

 来「苦しい時」

 ク「わ、わ…ふ……」

 来「うむ。全て録音させてもらった」

 ク「茶番なのですかー!?」

 恭「んじゃ、コーナー終わりな」



 沙「何で、私はこのコーナーになってしまったのかしら……」

 理「ま、まあまあ。沙耶ならきっと出来るよ」

 恭「それでは、『魂の叫び』スタート!」

 理「ケース@。『ベタなことに、男湯と女湯を間違えた』」

 沙「ええそうよ!間違えたのよ!と言うより混浴だったのよ!それも好きな人と一緒に入らされたのよ!
 メールを送ってきた誰かさんよりよっぽど辛かったのよ!好きな人の前で、混浴という理由の下に自ら服を脱ぐ女。
 やらしいでしょう!だったら笑えばいいんじゃない!?そうよ笑っちゃいなさいよ!あーっはっはっはて笑っちゃいなさいよ!」

 恭「何故か、実体験みたいな叫びだったな……」

 佐「と言うか、むしろメールの内容を貶してらしたような……」

 理「はい次!!ケースA。『トイレが我慢できなくて近くの店に入ったら、ランジェリーショップだった』」

 沙「ミスったのよ!しょうがないじゃない!我慢できなかったんだもの!
 ショップの店員さんから『トイレだけ……?冷やかしなら止めて欲しいものだわ』的な視線を向けられたわよ!
 ランジェリーショップに冷やかしで入るスパイなんて何人いたのかしら!?私だけでしょうね!
 滑稽でしょ!?だったら笑えばいいんじゃない!?あーっはっはっはって笑いなさいよ!あーっはっはっは!」

 謙「嫌がってた割には、やたらとレベルが高いな……」

 小「ふえ?すぱい?」

 理「最後のメール!ケースB。『朝の満員電車でイヤホンを着けて音楽を聴いていて、曲を飛ばそうと思って操作していたら、
  接続が外れてしまい、電車の中に18禁ゲームの主題歌の有名な空耳歌詞(きしめ●)が木霊した』」

 沙「しょうがじゃないじゃない!外れちゃったんだもの!着けてる内に段々取れやすくなるのよ!
 私だって流したかった訳じゃないのに、他の人たちから『こいつは……現実を見ろよ』みたいな目で見られたのよ!?
 いい曲じゃない『きし●ん』!空耳の歌詞だって意外と気に入ってたりするのよ!
 二次元の女の子しか愛せないと思われる女の子なんて一体何人いるのかしら!?
 私はそんな卑しい女なのよ!笑いたければ笑えばいいじゃない!あーっはっはっはっ……って……」

 全「…………」

 沙「何でそこで黙るのよー!?」

 理「大丈夫だよ、沙耶……。沙耶がどんな子でも、僕達は仲間だから!」

 沙「どんな子だと思ってるのよ!?あくまでコーナーの一貫として言っただけで、私が好きなのは……」

 全「……好きなのは?」

 沙「言えるわけないじゃないー!!」



 恭「次は、三枝と二木。『兄弟姉妹のエピソード』」

 葉「よーし、バンバン紹介しちゃいますヨ!」

 佳「そんなに届いていないと思うけど……葉留佳がやるなら」

 鳥「仲のいい姉妹だよねー、お姉ちゃん?」

 魚「…………」

 鳥「無視!?」

 理「て言うか、何でいつもメール読むのは僕なんだろう……」

 恭「キャプテンの特権だ」

 理「いつの話!?」

 来「いいから早く読みたまえ。私のコーナーが短くなってしまうだろう」

 理「いや、僕としてはそれは結構好都合何だけどさ……」

 来「ええいうるさい黙れこの(21)ヒモ野郎」

 理「放送禁止用語を堂々と!?激しく心外だし!」

 沙「あーっはっはっは!」

 佐「取り敢えず、進めてはいかがかしら。朱鷺戸さんの調子が戻るまで」

 理「……そうだね。一通目、『おにいちゃんが私に構ってくれません。最近いつも、高校から帰ってくるのが遅いの。
  まさか、他の女と一緒に居たりなんて……してないよね、おにいちゃん?』

 葉「おもっ!一通目から重すぎですヨ!」

 佳「個人の自由なのではないかしら。そもそも、その『お兄ちゃん』が……」

 来「録音成功」

 理「って、これも差出人が『来ヶ谷唯湖』だし!」

 佳「……来ヶ谷さん?」

 来「いや、佳奈多君が『お兄ちゃん』などと言ってくれるのはこんな時ぐらいのものだろうからな」

 レコーダー「お兄ちゃん……お兄ちゃん……おにい」

 佳「今すぐに捨ててください!人権侵害で訴えますよ!!」

 葉「ねえねえ姉御。私の分は無いんデスカ?」

 来「勿論あるとも。葉留佳君には……そうだな。『お姉さま』でどうかね?」

 佳「来ヶ谷さんっ!!」

 来「それで、その葉留佳君の『お姉さま』と、佳奈多君の『お兄ちゃん』で、等価交換としよう」

 佳「……っ!それは…………」

 理「いやいやいやいや!そこ特に迷う所じゃないから!」

 佳「……分かりました」

 理「分かっちゃった!?」

 来「うむ。素直な子は好きだよ。では続きと行こうか」

 理「……二通目。『うちの妹は、兄である僕に全く持ってデレる気配がありません。何とかしてください』」

 佳「知らないわよそんなの。シスコンに生まれた自分を呪いなさい」

 葉「つめたーっ!」

 真「いつもと立場が逆になってねえか?」

 佐「元々こういう感じだった気もしますけど……」

 恭「俺はこのメールに尋常でないほど共感できるけどな」

 鈴「お前に妹なんかいないだろ」

 恭「ついには血縁否定かよ!」

 理「佳奈多さんは姉として、葉留佳さんが自分にデレてると思う?」

 佳「はあ?そんなの……」

 葉「べっ、別にお姉ちゃんのために頑張った訳じゃないんですからネ!」

 佳「…………葉留佳」

 葉「う、うん?何かな、お姉ちゃん?」

 佳「……キャラが被るからやめて頂戴」

 理「突っ込む所そこなの!?」

 来「ツンデレな葉留佳君……。新境地だ」

 魚「……これは姉妹百合百合エンドが予想されますね」

 鳥「後学のために見ておきたいかも」

 謙「どちらにしても騒がしいのは変わらなさそうだがな」

 理「最後のメール読んでいいかな」

 沙「はっ!こ、ここは何処?」

 小「あ、沙耶ちゃんおはよ〜」

 ク「ぐっもーにん、です」

 沙「ここは……教室?……って、あんたは時風瞬!!」

 佐「ときかぜ?」

 理「最後のメール!『近親相姦って、実際の所どうなの?』」

 佳「さっきの西園さん達のコーナーの後だからか、やたらと言葉が刺々しく聞こえるわね……」

 葉「どうなの?……って言われても、した事ないですしネ」

 理「いや、したことあるって言われても困ったけどね……」

 恭「義理の妹と付き合うのは駄目なのか?」

 魚「確かに、主人公の義理の妹設定のキャラは最近では大体のゲームに登場しています」

 佳「義理の程度にもよると思うけれど。養子として入ったのならば良いのではないかしら」

 葉「血縁関係のある女性同士が付き合うのはー?」

 来「それは葉留佳君自身のことかね?」

 魚「……『葉留佳×佳奈多』……悪くないです」

 鳥「お姉ちゃんって、百合のケもしっかりあったんだ……」

 恭「同性結婚がしたいなら日本出ないといけないけどな」

 謙「子孫も残せないしな」

 葉「そこは、理樹君が一緒に行って二人の子供を作るということで」

 全「却下」

 恭「よく分からないまま、このコーナー終了な。次は来ヶ谷」



 来「では、この箱の中から3組選ばせてもらう。各自、着替えたままで録音を続けるように」

 理「ちょっとお腹が……」

 来「逃がさんよ少年。早速君の出番だ。『着る人・直枝理樹』」

 佐「図ったかのごときタイミングですわね……」

 恭「それが来ヶ谷クオリティだからな」

 来「『着る物・女装』」

 理「どう考えても上手くいきすぎでしょ!?大体、男対女の割合が2:7なのに女装って送って来るのは何!?」

 来「着なかった者は取り押さえてブロマイド発売決定」

 理「ココにきて新しいルール作るのやめようよ!」

 沙「いいじゃない、女装すれば可愛いんだし」

 理「沙耶が目覚めてからの僕への第一声が『女装すれば?』だとは予想だにしなかったよ……」

 来「では、少年はこれに着替えてくるように」

 小「頑張ってね〜理樹君」

 ク「ふぁいとなのですー」

 理「服を着替える時にこんなに応援されたのは生まれて初めてだ……」

 来「ふむ。少年が行ったところで次の一人だ。『着る人・二木佳奈多』」

 佳「何で、こういう嫌な時だけ選ばれるのかしら……」

 来「『着る物・私服』」

 佳「そんなの、持ってきてるわけないじゃないですか」

 来「心配は無用だ。ココにある」

 佳「……家宅侵入」

 来「気にするな。それでは着替えてきてくれたまえ」

 真「最近、来ヶ谷の手口が荒っぽくなってきたよな……」

 来「可愛い女の子のためなら苦労は惜しまんよ、私は。三人目『着る人・笹瀬川佐々美』」

 佐「……着るものは何なのです?」

 来「『着る物・猫耳&猫尻尾』」

 佐「最早『着る』でなくて『着ける』なのではなくて!?」

 来「ブロマイド」

 佐「着けますわよっ!着ければよろしいのでしょう!?」

 来「うむ。ではあちらの部屋で。佳奈多君とも別の部屋だから、安心するといい」

 佐「衣装(?)のせいで安心なんて出来ませんわ……」



 理「何か……自分の存在を否定してきたくなったよ……」

 佳「あなたのそれを見てると、自分に自身が持てなくなるのだけれど」

 理「いやいや、僕としては激しく不本意なんですけど……」

 佐「わたくしなんて猫耳猫尻尾ですわよっ!?」

 小「さーちゃん、似合ってるよ〜」

 佐「嬉しいけど嬉しくないですわ!何ですのこの感じは!」

 来「それでは、その状態でラジオを続行しようか。何、残るは恭介氏のコーナーとエンディングだけだ」

 理「取り敢えず、その手に持ってるカメラは渡してね。ブロマイドは無しだから」

 佳「貴方は外見が綺麗だからいいじゃない。ばれる事も無さそうだし。そうでしょ、なお……理樹ちゃん?」

 理「!!?」

 来「ふむ、理樹ちゃんか。悪くないな」

 小「だ、駄目だよ〜。幾ら似合ってても理樹君なんだから〜」

 魚「悪くはありませんが、それでは『棗×直枝』が成立しません」

 恭「いや、実際の所、結構合ってると思うぜ?」

 謙「うむ。女子も見劣りするほどの可憐さだ」

 真「筋肉がないのは相変わらずだがな」

 来「では、ここで一つ雑談と行こう。題は『理樹君派VS理樹ちゃん派』」

 恭「今の所、俺・真人・謙吾・来ヶ谷・二木は理樹ちゃん派、小毬・能美・西園は理樹君派だな」

 佐「何処まで行っても、男性は男性でしかありませんわ」

 葉「私は面白そうだから理樹ちゃん派ー!」

 鳥「私は理樹君派かなあ。お姉ちゃんもそっちだし」

 鈴「正直どうでもいい」

 沙「どんな時でも、私は理樹君の味方だもの」

 恭「と言う事は、6:6で同点。そんじゃ、これからは理樹ちゃん派は理樹を『理樹ちゃん』と呼ぶぞ、理樹ちゃん」

 理「拒否権は!?」

 来「無論ないぞ、理樹ちゃん」

 真「ところで理樹ちゃん、このコーナーは終わりか?」

 謙「次のコーナーで最後だったか?理樹ちゃん?」

 葉「理樹ちゃん理樹ちゃーん!」

 佳「外見が完全な女の子だから仕方ないのよ、理樹ちゃん」

 理「う……うわあぁぁぁぁ!」

 小「って、り、理樹く〜ん!?」

 ク「わふっ!?理樹がエスケープしてしまったのです!?」

 魚「恐らく、余りに酷な呼び方を連呼されたせいで精神的に多大な負荷があったのでは」

 鳥「あーあ。折角ラジオも上手く行ってたのに……」

 佐「男性に対してここまでの同情をしたのは初めてですわ……」

 沙「理樹君……」

 鈴「なんか知らんが、理樹がかわいそうだ」

 恭「うっ……。鈴がそっちに付いたのか……これでこっちは少数派だな……」

 来「流石に、言葉が過ぎたかも知れないな……」

 葉「……私、ちょっと探してくる」



 理「……希望?」

 来「うむ。反省の形として、君からの罰を一つ受け付けよう。何でも言ってくれたまえ」

 理「……恭介たちとは一週間遊ばない」

 男3「そんなっ!?俺はどうやって生きればいいんだ!?」

 理「……来ヶ谷さんとは一週間、授業を一緒にサボらない」

 来「なっ!少年、幾ら何でもそれは……」

 理「……葉留佳さんは、一週間騒ぐの禁止」

 葉「私の存在意義否定!?」

 理「発起人の佳奈多さんには……」

 佳「な、何?言ってみなさいよ」

 理「……一週間、寮長の仕事させてあげない」

 佳「な!?」

 葉「あー。お姉ちゃんは仕事の中に一種の生き甲斐を見る人ですからネ」

 佳「な、直枝?謝るわ。謝るから……」

 ク「わ、わふー。かなたさんが動揺しているのです……」



 恭「んじゃ、最後のコーナーは俺だな」

 理「それじゃ、早速だけど一通目。『白い粘液と聞いて、棗先輩が最初に連想する物はなんですか?』」

 恭「どろり濃厚ヨーグルト味だ」

 理「それって、ただの飲むヨーグルトじゃないの……?」

 恭「そんな半端なもんじゃないさ。あれはもう……言葉通り、粘々している」

 真「一層、飲む気が失せたな」

 理「二通目。『僕の妹が全然デレません。何とかしてください』」

 謙「またお前か」

 恭「まず、妹は自分に対する恋を抑えていると思い込め。そうすれば、全ての言葉が頭の中でデレ変換される」

 理「変態であるとしか思えないね」

 鈴「死ね、くそ兄貴」

 恭「ふ……今のは俺の中で『絶対に傍からいなくならないでね、お兄ちゃん』に変換された」

 鈴「こいつ大変だ!」

 理「微妙に違うよ。大変だけど」

 沙「誰か呼んだ?」

 理「沙耶、自分が大変な子だと自覚してるんだ……」

 真「誰か呼んだか?」

 謙「うむ。自分が馬鹿だと自覚するのはとても素晴らしい事だ」

 真「んだと?そいつは俺が…」

 理「三通目。『馬鹿に馬鹿と言って、何が悪いんですか?』」

 真「うおぉぉぉっ!ついに理樹に馬鹿と言われたあぁぁっ!」

 恭「そんな簡単に言ってはいけないな。馬鹿な奴は自分が馬鹿であることを誇りにしているんだ」

 真「フォローとして全然嬉しくねえ!」

 魚「『ヒト類バカ科』という生命があるなら、井ノ原さんが第一号に適任かと」

 鳥「最早、お姉ちゃんはフォローする気がないよね」

 理「最後のメール。『棗先輩は、結局の所(21)なんですか?』」

 恭「んなもん送るなあっ!」

 来「だが、コーナー上、答えないわけにはいかないな」

 恭「…………半分は」

 鈴「死ね(21)兄貴」

 ク「わふっ!?くりーん・ひっとなのですっ!」

 理「恭介?恭介ーーー!」




 恭「そろそろお別れの時間となりました」

 真「随分あっさりと復活したな……」

 恭「これが『攻略できないメインキャラ』の特権だ」

 真「意味分からんのに、何故かカッコイイと思ってしまう自分が嫌になるぜ」

 恭「それでは、締めくくりとして暗躍していたレコーダーから一言」

 理「意味が分からないよ……。暗躍させてたの来ヶ谷さんだし……」

 来「それでは、最後にこの編集データを聞いて頂いて、終わりにしよう」



 レコーダー「『理樹』『お兄ちゃん』……」



 佳「来ヶ谷さんっ!!」

 恭「それでは、また会う日まで、さようなら!」






















   後書き

 すっごい久しぶりにリトバスのSSを書いた気がしますね。
 実際は一ヶ月も経っちゃいないんですけど。

 何はともあれ、ラジオ形式です。
 セリフについては、生徒会シリーズを参考に。横書きでは見づらいかもしれませんが、ご勘弁下さい。


 出来る限り、全員が出るように心がけましたが、小毬なんかの出番が少ないですね……精進します。

 あと、理樹が突っ込みマスター&壮絶我侭っ子と化してしまっているのは気にしない方向で。


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 それでは、名前がコロコロ変わって分かりづらい七夜彼方でした。



   


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