title:『食べちゃえば?』


「みゅっティアさんですの!」
「お、いいところに。ちょっと来てくれー」
「?」

ルークの背を見つけて意味もなく足を向ければ、
先に気付いたミュウの声に、ルークが振り返り、ティアを傍に呼んだ。

「なんかさぁ、管理人がさ、頂き物を俺達に届けてくれたらしいんだけど・・・。」
「そう。何かしら?」










「うおお!!うっっま!!なんだこれ!?すっげぇ!!」
「ティアさんとご主人様ですの!!そっくりですの!!」
「(可愛い・・・・v)」
「ってかなんでハートで囲まれてんだ・・・?」

クオリティの高いクッキーの出来に気を取られて遅れたが、管理人のおふざけに嫌な予感がしたルークと、
まだクッキーの可愛らしさに気を取られ、状況を理解しないティア。

「ん、何かカードが入ってる。管理人からのメッセージだ。何々・・・?」

ルークの声で我に返ったティアも、顔を上げてそのメッセージカードを一緒に見る。


『いつも私の拙いサイトを見てくださって、しかも応援してくださっている、
 神様のような方、にゃんこそば様からの頂き物です。
 ルークとティアが代表で、感謝を込めて、大切に頂くように。 by 管理人(MORE) 』


そのままを読み上げたルークは、ティアを振り返った。

「・・・だってさ。」
「私達だけで頂いていいのかしら?」
「うーん・・・。」
「いーんじゃなぁい?二人がモチーフみたいだしさ。」
「ぅおお!?」

考え込んでいる二人の傍から、唐突に可愛い声が上がる。
二人は同時に振り返る。

「アニス!!び、びっくりさせんなっつーの!」

ツインテールを揺らす可愛らしい彼女が、二人の隙間からクッキーを覗く。
その後ろを見やれば、仲間みんながこちらを覗いていた。

「おやおや、羨ましいですねぇ。私達のことはお気になさらず、ありがたく頂きなさい。」
「まぁ、ルークやティアの顔をしたクッキーを食べるのは、流石に俺達は照れちまうからなぁ?」
「ふふ、そうですわね」

口々にそう言われ、よく分からずにルークは首を傾げる。そういうものなのだろうか?





その後、ぞろぞろと食堂へ移動して、皆でクッキーを囲む。
ハートのクッキーなら食えるだろ、とルークがやっぱり皆を呼んだのだった。

すると。

「ねー、自分のじゃなくてさ、ルークがティアを、ティアがルークを食べなよ。」

アニスの提案に、なんの意味があるんだと思いながら首を傾げる二人。
すごく楽しそうな彼女の目に、何か含まれているのを感じながらも、
次のジェイドの言葉まで、二人にはそれを正確に読み取れなかった。

「はははは、駄目ですよアニス、花も恥らう乙女がそんな卑猥なことを言っては。」
「ごぶっふぁ!!」

意味を理解したルークが、飲みかけていた紅茶を盛大に噴出した。

「ルーク・・・いくらなんでも噴出しすぎだ」
「ゴッホ・・・ッ ばか!ジェイドが変なこと言うからだろ!!?」

呆れた声を上げたガイを無視して、ルークは口元を拭いながら立ち上がる。

「言ったのはアニスじゃないですか。私は補足をしたまでですよ?」
「えぇ〜?アニスちゃんも別にそんな意味で言ったわけじゃありませんよ〜ぅ?なんたって乙女だしぃ〜??」

責任逃れを口にしながらも二人はニヤニヤニヤニヤと楽しそうだった。
ルークは赤い顔をしながらも、同じく話題にされたティアをちらりと見れば。

「あ?お、おい、ティア、大丈夫か??」

ティアはハンカチで口元を押さえながら、音を殺して咳き込んでいた。
どうやら、ジェイドの言葉に同時に反応したものの、ルークのように噴出すことが出来ず、
彼女は口に含んだお茶をそっくり気管に入れてしまったらしい。

心配をするルークに大丈夫と返す余裕もないらしく、ひたすら咳き込んでいて。
慌ててルークが駆け寄って、背中を擦ったり叩いたりする。


『お、おい、ティア、大丈夫か、つわりが酷いのか?』 (アフレコ byジェイド)
『ゴホ、・・・・だ、大丈夫よ、貴方との子供の為だもの。苦ではないわ。』 (アフレコ byアニス)

「旦那達、楽しそうだなぁ・・・」
「まあ・・・お二人共、声真似がお上手ですのね。」
「いやいや、そういう問題でもないだろう・・・」

バカなことをしている性悪コンビに再び怒鳴ろうとルークは顔を上げたが、
きっと同じことを考えて息を吸い込んだらしいティアが、再び咳き込んだので、
結局睨むだけでルークは何かを言う機会を逃して、ティアの背を擦る。



閑話休題。


「さて。じゃあ、どうぞゆっくり頂いて下さいね。」

揶揄い尽くしてすっきりしたのか、頂き物に対する配慮なのか、
ティアが落ち着いた頃には、ジェイドたちは席を立って食堂を出て行って。
残ったのは、ルークと、ティアと、ミュウ。

「ミュウはハートマークを頂くですの!頂きますですの!!」

言うと同時に、いつの間に覚えたのか、みんながするようにミュウはクッキーに向かって手を合わせた。

「・・・食べるか」
「そうね・・・・」

そんなミュウの様子に毒気を抜かれ、二人もクッキーに向かう。

「なんか、やっぱ食うの勿体ねーな。」
「ふふ、そうね。けれど、折角頂いたのだもの。食べないのも、勿体無いでしょう?」

ティアの言葉に、ルークは、まあな、と言って笑う。

「じゃあ、まあ、いただきます。」
「頂きます。」

ミュウと同じように、二人もクッキーに手を合わせて。


仲間達の揶揄いが少し思い出されて、頬を染めながら。
二人は、互いをモチーフにしたそのクッキーを、口に入れた。



END.






4月9日にモアさんと初めてお会いする時に「何かルクティアなものを…」と、
クッキーを焼いてプレゼントしたら、こんな素敵な文章&絵になって返ってきました!
ルクティアは2人のお話も良いんだけど、こうやって周りからつつかれてる構図がさらにたまりません…!!
モアさん、本当にありがとうございました、これからもよろしくお願いしますvv
モアさんのお宅「LISTEN」はリンクにもありますので、皆さま是非!



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