俺の好きなモノ


「おい?」

さっき凄い雷が鳴ったが…確かあいつは大の雷嫌いだ。
からかう絶好の機会だと思って室を覗いてみたが、あいつの姿が見当たらない。
なんだつまらない、と踵を返そうとしたその時だった。

かすかに鳴咽が聞こえる。

「おい、いるのか?」

そちらの方へ近づいてみると、いつもなら仕事をしているはずの机案の側で、あいつはうず くまっていた。

「なんだ、お前本当に雷ダメなんだな」

そう笑いを含んだ声音で言ってやると、一瞬あいつの肩がびくっと反応した。
てっきりいつものように威勢良く切り返してくると思ったのに、黙ったまま。


面白くない。


「無視かよ。
 てか、いつまでそうしてるつもりなんだ。雷はもう随分前におさまってるんだぜ?」

少しイライラしながら、ぐっとあいつの腕を掴んで立たせてやる。
顔を両手で隠していて表情は分からないが、泣いているのは確かだ。

「おい、何か言えよ」

「…うっさいわね、あっち行ってて」

ようやく発せられた言葉にも全く覇気が感じられない。
ちっと舌打ちをして、顔を覆っていた手を掴んで強引に引きはがした。

「痛っ…!ちょっ、放して!」

「嫌だ。お前いつまで泣いてんだよ」

「な、泣いてなんかないわよ」

「へえ、じゃあこれは何なんだろうな?」

にやりと笑って、あいつの頬を流れる涙を舐めとってやる。
まるで口づけを交わした後のように、ゆっくりゆっくり顔を離し、舌なめずりをひとつ。
最初は何が起こったのか分からない様子のあいつだったが、みるみるうちに表情が変わった。

俺を睨みつける鋭い目。


―― そう、その目が俺は好きなんだ。

他の誰にも見せたことのない、俺だけに向けられるその本気の目が。

お前の泣き顔なんて見たくもない。


「いい加減、この手を放しなさいよ」

その辺の奴らなら、固まってしまいそうなほど凄みのある声。
さっきの弱々しい声はどこへやら。
それでこそ、この俺が叩き落すに相応しい。

そうだろう?


なぁ、秀麗?



しゅみちゃんから、劉輝&藍様の詩っぽいのと李姫小説をプレゼントされて、
読んだら何故か「私もなんか彩雲の書きたい!!」と、突発的に携帯でぽちぽち打ってたらこんなん出来上がってました。
初彩雲国駄文が清秀(寧ろ清→秀)だなんて、初っ端からマイナー路線を突っ走ってるな、私。
とにかく、この2人は永遠にいがみあってると良いよ(いがみ愛万歳!)
くっついちゃったら終わりーなカプかと。(てかまず清雅の場合、秀麗に万が一好かれでもしたら、一気に冷めそうだ)
ここまで読んでくださった方々、どうもありがとうございました!  (2007.7.12)



ブラウザでお戻り下さいませ。

2style.net