もらったものにはお返しを


 「なんでわざわざ私を庇いに来るんですか!?危ないじゃないですか!!」
 「何だその物言いは!!お前が傷を負ったらと、こっちは冷や冷やしたんだぞ!?」
 「それはこっちの台詞です!九郎さんが怪我したら、どうするんですか!?」
 「俺のことはどうだっていい!!」
 「九郎さんがよくても、私はよくないです!!」





やれやれ……また始まりましたね。

怨霊を退治し終え、皆がホッとするのもつかの間、九郎と望美がくだらない(本人たちにとっては非常に重要なことらしい)言い合いを始めた。
最初のうちは面白がって傍観していた他の面々も、毎度のことなので阿呆らしくなり、とうとう今日は『先に帰ってるぞー』と、さっさと行ってしまったのだった。
弁慶とて帰りたいのはやまやまだったが、さすがにまだ怨霊がうろついている地に、この状態の2人を残していくのは躊躇われたため、しばらく見守っていたのだが。
だんだん日も落ちてきたし、そろそろ割り込まなければ、いつまで経っても帰れそうにない。

 「九郎、望美さん。今日はそれくらいにして、早く戻りましょう。
  他の皆さんはもうとっくに帰ってしまいましたよ」
 「弁慶、お前からもこのじゃじゃ馬に何か言ってやってくれ。危なっかしくて放っておけん!」
 「じゃじゃ馬!? ひどい!!
  今の聞きました? 弁慶さんは私の味方ですよね!?」
 「いや、弁慶は俺の味方だ!」

さぁ、どっちを選ぶ!?と、2人から熱い視線を送られる弁慶。
弁慶にしてみれば、正直なところ『お前らいい加減にしやがれ』というところだが、そう思ってはいても、とりあえず表情には出さないでおく。
えぇ、僕は大人ですからね。

彼らの言い分は結局どちらも同じことで、互いが自分自身より大切で守りたい存在だということ。
本当に似たもの同士。
ならば。

 「そうですね……では僕はどちらの味方にもつかないことにしましょう。
  そして、今度から僕が君たちの盾になりますから、大人しく僕に守られて下さいね」

にっこり、極上の微笑みで喧嘩両成敗。

 「冗談じゃないぞ!」
 「冗談じゃないです!」

案の定、もはや名物(?)となった九郎と望美の2人きれいに揃った反論がすぐに返ってきた。
が、続く彼らの言葉は弁慶の予想外のものだった。

 「お前こそ、俺たちに大人しく守られていろ!」
 「弁慶さんは私たちが守ります!危ないことはしないで下さい!」
 「そうだ、弁慶。お前も結構無茶をするしな」
 「もっと自分を大切にして下さいね」


……そうきましたか。

その言葉、そっくりそのまま返してやりたい、と弁慶は心底思ったが、とりあえず彼らの不毛な言い合いを止めることができたので、寸でのところで飲み込む。
先ほどの言い争いがまるで嘘のように、2人は今『どうやって弁慶を守るか』で、仲良く相談まで始めている。
そんな似たもの同士2人に呆れつつも、自身もそれほどまでに大切に思われていたのかと考えると、少々こそばゆい。

 「ふふっ」
 「なんだ?弁慶」
 「いえ、僕もずいぶんと君たちに愛されているようですね」

冗談交じりで放ったその言葉にも、彼らは真面目にこたえを返してくれた。

 「は?当たり前だろう」
 「そうです、今更何言ってるんですか?」

私たち、弁慶さんのこと大好きなんですからね!と、とても真っ直ぐな想いをくれる彼ら。
まったく、こちらが恥ずかしくなることをさらりと言ってくれるではありませんか。

でも、こういうのもなかなか良いもの……ですね。

こんな風に彼らは多くのものを僕に与えてくれる。
だから、頂いた分はきちんとお返しさせていただきましょう。
この身にかえてでも。





九望駄文第二弾を書いてる途中、突然ネタ降ってきて書き出したら、こっちが先に出来上がっちゃったという勢い駄文。短い。
最後、なんか弁が不穏なオーラを放ってますが、それを止めるのが九望であって欲しい。ていうか、遙か3キャラってみんな自己犠牲旺盛すぎ(真顔)
当初はオールキャラで、カオスな感じ(皆が皆、互いを守りたがってるみたいな)のギャグにするはずが、いつのまにか九望+弁で落ち着きました。
ここまで読んで下さった方々、ありがとうございました! (2008.10.21)



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