組織はなんとかしたけど、解毒剤はできませんでした、な感じで中学生まで成長。
すでにコナン君と哀ちゃんはくっついている。
そんな妄想しかない駄文ですが、それでもオゥケイ!な方のみどうぞ。↓







今はまだ手に触れられないものだけど


 「おい、オメーら絶対肉眼で見るなよ!」
 「分かってるって!」
 「目に異変があったら、すぐに言うのよ?」
 「はーい!」
 「どんな風に見えるんでしょうか、楽しみですね!」
 「だねー!」

ここは帝丹中学校の校庭。
探偵団のメンバーは金環食を見るため、みんなで早起きして学校に集合していた。
日食グラスを手に、元太、光彦、歩美はすでにはしゃいでいる。

 「良かったわね。
  晴天じゃないけど、これならなんとか雲の間から見られるんじゃない?」
 「だな。アイツらの沈んだ顔見なくてすみそうだぜ」
 「えぇ、昨日から大はしゃぎだったものね」
 「そーゆーオメーだって、日食グラス一体何ヵ月前から用意してたんだよ。
  ったく、一人だけ抜け駆けとかずりーぞ」

1週間前、哀がすでにグラスを持っていると知り、コナンたちは慌てて買いに行ったのだが、
すでに売り切れのところが多く、あちこち駆けずり回ってなんとか人数分手に入れられたのは奇跡に近い。

 「あら、私だけじゃないわよ? 2ヶ月前に歩美ちゃんと一緒に買いに行ったんだから」

これ、彼女とおそろい、とグラスを見せコナンに微笑を向ける。

 「ちぇっ、面白くねぇー」

一応、恋人同士なんだからオレにも声かけろよなとかなんとか、ぶつぶつ言いながら、コナンは哀から顔を逸らした。
頬がほんのり色づいている。
きっと、自分で言った「恋人」のフレーズに照れたのだろう。

―― まったく、いつまで経ってもガキなんだから。

哀は心の中で悪態をつきつつも、表情は自然に柔らかくなる。

 「わぁー!太陽が欠けてますよ!」
 「すっげぇー!」
 「哀ちゃーん、コナンくーん!こっちで一緒に見よー!」

 「呼ばれてるわよ?」
 「あぁ。そんじゃま、オレたちも天体ショーを楽しむとすっか!」





 「うわぁ、綺麗なリング!」
 「そうね、素敵だわ」
 「うぅー……あのわっか見てたらイカのリング揚げ思いだしちまって、腹がなりそうだぞ」
 「もー、元太君は相変わらずですねー」

あはは、とみんなで笑いながら、金環食を楽しんでいたのだが。


ちょんちょん


突然、肩をつつかれたので、そちらを向いてグラスを外してみると、すぐ隣にコナンが立っていて耳元で囁かれる。

 「灰原、ちょっといいか?」
 「何? 私も金環食見たいんだけど」
 「すぐ終わるからさ、頼む!」

これを見逃したら、同じ場所で見られるのは数百年後。
もちろん次回は見れないわけで。
哀はジト目をコナンに向ける。
だが、いつもは哀のこの睨みにたじたじなクセに、今日はそんな鋭い視線も何のその。
コナンはこのとーり!と手を合わせて哀に頭を下げた。
ここまでされたら、聞いてあげないわけにもいかない。
後で拗ねられた方が厄介なのだ。

 「……ちょっとだけよ?」
 「おぅ、サンキュー!」

そうして、哀はみんなから少しだけ離れたところに立っている木の下まで連れてこられて。
よし、こんなもんか、とコナンは両手で何やら確認した後。

 「灰原、ちょっとそこの日が当たってるところに手ぇ出してくんねーか?」
 「さっきから何なの?」
 「良いから良いから!」
 「……こう?」
 「そうそう。そのままだぞ」

すると、コナンはゴホンっと咳払いをひとつすると、さっきまでのへらへらした表情はどこへやら。
急に真面目な顔つきになり、口を開いた。

 「今はまだガキの姿だから、本物はあげれねぇけどよ」

コナンは哀の手のひらの上に拳をかざす。
彼が指を握る力を少しゆるめると、その隙間に光が差し込み……

 「あっ!」

哀の手のひらに現れたのは光と影でできた小さなリングだった。

 「自分で稼げるようになったら、必ずオメーの左の薬指にはめてやっから。
  それまで、その指は絶対あけとけよな」
 「…………」

哀は自分の手のひらに現れたリングをじっと見つめたまま、微動だにしない。
沈黙が流れる。
さすがに、何の反応も示さない哀にコナンは不安になってきた。

 「お、おい…灰原?」
 「…………」
 「はいばらぁー?」
 「…………」
 「は、い、ば、らさーん?」
 「…………」
 「……あのさ、そろそろ何か言ってくれねーか?」
 「ごめんなさい」
 「ええぇっ!?」
 「あ、そうじゃなくて!」

哀の発言にコナンが誤解しそうになったので、慌てて否定する。

 「その、なんて言えばいいのか分からないの」

今、幸せすぎて頭の中が真っ白よ、と哀は小さく呟いた。
この姿で生きると決めた日から、なんとなく幸せになることを諦めているような、そんな哀を見てきたコナンにはその言葉だけで十分だった。

 「ありがとう 工藤君」

哀は幸せをかみしめるように、ゆっくりと手のひらを握る。

 「どういたしまして」

コナンはその動きに合わせて、拳を握って光を遮断し、まるでリングが哀の手の中におさまったようにしてくれた。

―― ニクイ演出してくれるじゃない。

思わず笑みがこぼれる。
 
 「あなたって本当にキザね」
 「でも、オメーこういうの嫌いじゃないだろ?」
 「そうね、嫌いじゃないわね?」
 「だろ!」
 「じゃあ、楽しみにしているわ。
  この太陽と月でできた指輪より、もっと凄いものをあなたが贈ってくれる日をね」
 「……なんかそんな風に言われるとプレッシャーだな」
 「安物だったら、私許さないわよ?」
 「オイオイ」
 「……でも、あなたがくれるものなら、何だってかまわないわ」
 「え?」
 「なーんてね」
 「はぁ?」




先月の金環食を観測中に思いついたネタ、コ哀でやってみました。
私の好きなカプ、どれでもやろうと思えばできたけど、
ここはやっぱり、キザなコナン君とたまにポエマーになる哀ちゃんがしっくりくるだろうと(笑)
このカプは原作では絶対あり得ないので、妄想しまくり! ちょう楽しいですねv
それでは、ここまでありがとうございました!
読んで下さった方もコ哀気になってくれたら嬉しいです(笑) (2012.6.2)



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