窒息死5秒前


 「温泉、温泉〜♪」

今日も凛々の明星+α御一行は疲れを癒すため、ユウマンジュを訪れていた。
ここは男湯と女湯を隔てるついたてが途中までしかないため、以前までは露天風呂を貸し切って男女交代で入っていたのだが、
ある時 「いいんじゃね?一緒に入れば」 というユーリの一言でまさかの混浴に。
さすがに最初は驚いたが、彼も言っていたとおり奥まで行かなければ別々なわけだし、
のぞき魔レイヴンをユーリとフレンが見張っていてくれるので、どちらかと言うと一緒に入る方が女性陣にとっては安全だったりする。
それに、ついたてを挟んで会話するのもなかなかに面白い。
そんなわけで、それ以来みんなで仲良く一緒に入っていた。

男性陣が男湯の暖簾をくぐって行ったところで、一番後ろにいたリタがぴたりと足を止めた。

 「リタ姐、どうしたのじゃ?」
 「……あたし今日はやめておくわ。ここで待ってるから」
 「体調でも悪いんです?それならわたしも……」
 「だ、大丈夫だから、あんたは入ってきなさいよ!」
 「でも……」

そんな2人のやり取りを見てジュディスがエステル、と彼女にそっと耳打ちをする。
するとエステルはあっと小さく声をあげたかと思うと、すぐに出てきますから待ってて下さいね!
と、パティを連れて暖簾の向こうへと消えていった。
エステルの様子を見るからに、ジュディスが何を言ったのかは想像がつく。

 「……なんで分かったのよ」
 「ただの勘よ、勘」
 「何よそれ。
  でも助かったわ、気を遣わずにゆっくり入ってきなさいってエステルに言っておいて」
 「ふふ、分かったわ」



 「……さて、あたしはここで本でも読んで待つとするか」

リタはジュディスを見送った後、畳と呼ばれるものが敷いてある休憩スペースに座りこみ、読書を始めた。




しばらくして。


 「リタ!大丈夫?」
 「……は?」

突然名前を呼ばれ、リタが本から顔をあげてみると間近にフレンの顔。
彼は少し屈んで、心配そうにリタの顔をのぞきこんでいる。

 「っ!?
  な、ななな何っ!?」
 「いや、君が風邪気味だって聞いたから」
 「へ?か、かぜ?」
 「違うのかい?」
 「……あぁ、そう!そうなのよ、風邪よ風邪っ!!
  ちょっと寒気がしたから、今日は入るのやめといたってわけ!」

この仲良しメンバーのことだ、きっとまた露天風呂につかりながらついたて越しにみんなで会話をしていたのだろう。
リタの声はよく通るし、雑談中いつもレイヴンにツッコミを入れたりするので、彼女の声が聞こえないことで男性陣はリタがいないことに気づき、
理由を聞かれてジュディスあたりが気を利かせて風邪だとでも言ったに違いない。

そう、いくら気心の知れた仲と言えど、さすがに男どもに
「女の子の日だから遠慮してるんです」とは言えないお年頃の乙女なのだ、リタは。

 「リタ、熱があるんじゃないのか?顔が赤い……」
 「そっ、そうかしらー?」

フレンがさらに顔を近づけてくるので、思わず目をそらす。
風邪はただの言いわけで、実際は魔物も簡単にぶっ飛ばせそうなくらい体力もあり余っている。
だから本当に熱なんかないはずなのに、急に体中がほてってきてなんだか熱い。

 「今日は無理しないで、早めに宿で休まないとね」

そう言ってフレンはリタの隣に座る。
たったこれだけのことで、こんなにドキドキするのはどうしてなのか。
しかも、お風呂上がりでなんだかいい香りが……。
って、私はおっさんかっつーの!!!
リタは自分にツッコミを入れながら、なるべく平静を装って返事をする。

 「えぇ……そ、そうするわ。
  ……って、あんた!髪の毛ちゃんと拭いたの?びしょびしょじゃない!」
 「あぁ、君が心配で慌てて出てきたから」

ちょっとー!そういうことサラっと言わないでよねっ!!
とりあえず、表には出さず心の中で大絶叫する。

 「そ、そう、それは悪かったわね。
  ………………んっ!」

突然リタはフレンの方に手を突き出した。

 「何だい?」
 「お、お詫びにあたしが拭いてあげるから、タオル貸しなさい!」
 「ふふっ、ありがとう。リタ」
 「っ!!
  …………ど、どういたしまして」

フレンに微笑まれて名前を呼ばれたら、さらにドキドキは止まらなくなるし、うまく呼吸ができなくて苦しくなる。

きっとこのまま彼のそばにいたら、本当に ――


息詰まって死ねそう





未プレイなTOVでついにやらかしました、しかもフレ→←リタ… マイナーすぎる
温泉イベの「リタが入ったフレン隊見てみたい」に対するリタのセリフ「息詰まって死ねるわ、きっと」を
萌えな方向で妄想してみた結果がこれ。 (2009.12.22)



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