小さな幸せ


今まで僕は「明日」を信じることができませんでした。
日に日に、それこそ一秒ごとに近づいてくるその「時」まで、精一杯生きることが僕の全てで。
でも、今は……。

「影月様!!こちらにいらっしゃったのですね…!」

「あぁ、香鈴さん。今夜は月が綺麗ですよー。
 って、どうしたんですかー?そんなに血相を変えて」

「どうしたもこうしたもございませんわ!
 今夜は冷え込むとお聞きして、あなたのお室に毛布を届けにまいりましたら、
 もぬけのからなんですもの!

 私はまたあなたが……」

さっきまで怒っていたかと思えば、突然不安そうな表情になる。
香鈴が何をそんなに心配しているのか、影月にはわかっていた。
今まで自分は何度も彼女を置いてけぼりにしてしまったのだ。


あぁ、そんな顔をしないでください。


「…僕はここにいます。だから笑ってください、香鈴さん」

そう、とびきりの笑顔と優しい声であなたに囁いて。


「なっ!そ、そんな急に笑えませんわっ!」

あれれ?真っ赤になってまた怒り出しちゃいましたー。
やっぱり僕って、好きな女の子を笑顔にさせることが苦手みたい。


でも。


怒った香鈴さんも可愛いなぁ。

なんて言ったら、もっと怒られそうだから、口には出しませんけど。


これだけは怒られたって、何度も言わせてください。



「香鈴さん、あなたが大好きです。ずっと…ずっと一緒にいましょうね」



明日も、明後日も、ずっとその先も。

陽月がくれた大切な「明日」を、大好きなあなたと。




2008年は影香からスタート。
年下だけど大人な影月くんと、ツンデレ香鈴。
実は半年くらい前から書きかけで放置されていたので、どんな方向に話を持っていきたかったのか
分からなくなっていたのですが、なんとか終わらせてみました(強制終了とも言う)
可愛いだけじゃなくて切なすぎる2人に、原作読んでて泣かされました。
今でも彩雲国シリーズ中、影月編が一番好きです。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございますv  (2008.1.26)



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