どきどき半分こ



  「中尉いるー?」
今日も元気に東方司令部にやってきた、金髪の少年。
赤いコート姿がとても似合っている。
  「久しぶりね、エドワード君。元気そうで良かったわ」
  「俺はいつも元気だぜ!
   それよりも、さっきハボック少尉から聞いたんだけどさ、中尉風邪気味なんだって?
   ……大丈夫なのか?」
エドワードはさっきまでニコニコしていたのに、一気に表情を曇らせた。
  「あら、心配してくれてるの?でも、大丈夫よ。ありがとう」
  「ほんとに?」
  「えぇ、本当」
そう言って微笑んだリザだったが、実はまだ微熱があったりする。
だが、エドワードに心配をかけることになってはいけないと思い、そのことは黙っておいた。
それに、リザが見たいのはエドワードの笑顔なのだ。

―― そんなに心配そうな顔をしないで ――

  「…じゃあ、中尉! ちょっとちょっと!」
  「何?」
突然エドワードに手招きされたので、リザが少し屈んで目線を合わせた途端、両手で頬をそっとくるまれた。

コツン

エドワードは自分の額をリザの額にそっと押し付けた。
  「え、エドワード君!?」
  「動くんじゃねぇぞ?熱はかってんだから」
  「そんな、おでこじゃなくても手で…」
と、言いかけてリザはハッとした。
手で熱をはかろうとすれば、両手を使う。
右手が機械鎧のエドワードでは、それができないのだ。
  「……ごめんなさい、エドワード君」
  「気にすんなよ。
   それに俺は中尉とこんなに近くでしゃべれて、すっげぇ嬉しいんだけど?」
ニッと少し意地悪く笑われて、リザは顔がほてってくるのを感じた。
確かにこんな至近距離でエドワードを見るのは当然初めてだし、リザ自身も嬉しいと言えば嬉しい。
まったく、大の大人が15歳の少年相手に緊張するなんて…!
リザは今の自分の顔は真っ赤だろうと思いながらも、せめて動揺していることをあまりエドワードに悟られないよう、精一杯全身に力をこめて動かないようにした。


顔と顔がいつも以上に近いことと、静かな室内のおかげでリザはエドワードの息遣いが手に取るようにわかった。
エドワードが息を吐くたびに、温かい空気をフッと感じる。
そういえば、エドワードの呼吸がやけに速いような?
さらによく見れば、顔も少し赤い気がする。
そう、なんだかんだ言って緊張しているのはリザだけではなかったのだ。
エドワードも相当緊張しているに違いない。

―― なんだ、私だけじゃなかったのね ――

そう思うと変な力が抜けて、リザはいつもの自分に戻れたような気がした。
そんなことを考えているうちに、エドワードがそっと離れて……。
  「中尉、やっぱりまだ熱があるんじゃねぇの?」
  「えっ?」
  「俺に隠し事するなんて、10年早いんだからな!」
  「フフッ、それ年下が言う台詞じゃないわよ。
   それにエドワード君こそ、私に隠し事はダメよ?」
  「は?」
  「何でもないって態度をとってるけれど、今ものすごく緊張してるでしょう?」
  「なっ!!」
  「あら、私が気づいていないとでも?」
  「し、仕方ねぇだろ!?
   好きな人の前じゃ、誰だってこうなるもんなんだっ!」
  「…………」
  「おっ、中尉顔赤くなってるぜ?かっわいいーv」
  「大人をからかうものじゃないのよ、エドワード君?」
ペシッとエドワードの額を軽く叩いてやる。
  「っ!子供扱いすんじゃねぇー!
   そのうちデッカくなって、ぜってぇー中尉に似合う男になってやるからなっ!」
  「えぇ、期待してるわよ。
   あなたは私が世界で一番大好きな人なんだから」
  「っ!!」

せめてもの仕返しに。
だって、どちらかだけがドキドキするなんて不公平でしょう?
この気持ちも半分こしなくっちゃ!


おわり



コラボ第一弾!
「エドアイで私が駄文を練成、夜来さんがそれを漫画化する」です!
とりあえず、私が書くエドアイはいつも豆っ子が真っ赤になったりしてたので、
今回は逆バージョンでお送りいたしましたが、いかがでしたでしょうか?(汗)
とにもかくにも、こんな駄文が夜来さんの手にかかれば、素敵漫画へと変身します!!
さぁー、みなさま必見ですよー!
夜来さんの可愛い赤面中尉を堪能して下さいvv (2005.10)

夜来さんの漫画へGO!



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