紺青の海

3 強要
「ぼ、僕は威張ってません」
遙は、弱々しく抗議した。
「うるさい。おんなしこっちゃ。おい、安」
男は安を呼び、遙の両手を簡単に後ろ手にして掴み、安に持たせた。
自分はどこかから紐を取りだし、それで遙の後ろに組んだ両手を縛り上げる。
手馴れた、淀みのない動作で、縛るのも上手かった。
そうしておいて、背中をどんと押し、テーブルの上に遙の上半身をうつぶせに押し倒した。
低いテーブルだったので、膝が床に付いた。
安が遙の顔の前に移動した。
肩を持って、遙の体を固定する。
男は遙のズボンに手をかけ、引き摺り下ろそうとした。
「お願いです。誰にも言いません。帰して下さいっ…」
遙は、恥も外聞もなく高い声で絶叫し、男に許しを乞うた。
「お願いします。それだけは許して下さいっ…」
「うるさいやっちゃ。今さら何や。覚悟せえ言うたやろ」
「だ、誰にも言いませんからっ…」
「そういうこっちゃない。お前が誰に言おうが言うまいが、ワシはお前を犯す。そう決めたんや。分かったか」
男は身を乗り出して、テーブルの上の、顔だけ上を向けている遙の耳元に囁いた。
「言うとくけどな、ワシは穴さえあったら女でも男でも、犬でも鶏でも、何にでも突っ込めるんやど。雑食言うのかな。手当たり次第や」
はははと男が笑い、安もつられて笑う。
遙は、血の気が引いた。
駄目かもしれない。
もう、駄目かもしれない。
「助けてっ…」
「なんぼでもわめきや。その方が刺激的やさかい」
のんびりと男が言う。
次の瞬間、男の手が、遙のズボンとパンツをずり下げた。
「ああっ…」
また男が、遙の耳元に顔を寄せてくる。
「ええケツしとるやないか」
そして、男二人で笑い合う。
男は、遙の、眼の前に差し出された双丘をぐりぐりと撫で回した。
羞恥に、遙は身悶えした。
人の前で、自分の剥き出しの尻を曝したことなど、生涯で初めてだ。ましてや、そこをそのように玩弄されるなど、生まれてからこんな日が来ると、思ったことがなかった。
頭が白くなった。
男は、無造作に、足元にとぐろを巻いている遙のジーンズと、パンツを取り去った。
「こうせな足が開かへん」
片方の尻を抱えながら、もう一方の指で、いきなり男は遙の肛門に指を突っ込んだ。
「ああっ」
「足、拡げぇ」
男は指を、さらに奥に進めようとするが、遙の窄まった肉の襞が固く拒んで、それ以上の侵入を許さない。
男の指が、尻を離れた。
が、すぐに再び、何かクリーム状のものをたっぷり塗ったらしい指が、べとついたそれを、肛門の穴に塗り拡げ、中心の周りをなぞるように動き、弄り始めた。
「足をな、思いきり拡げるのや。そうせな辛いぞ」
男は遙の足の間に入り、自分の足で遙の身体を広げる。
屈辱的な姿勢で男の目に曝された。
まるで獰猛な虎に捉えられ、食べられる無力な兎のようだ。
恥辱のために体が震え、頭がガンガンと、小槌で打たれたような傷みに襲われた。
男の指がするりと入った。
塗られたクリームのため、遙の後ろは抵抗なくずるずると指を受け入れた。
「うう…」
突然の違和感におののいた。
腸の内部が栓で塞がれたようで、その異様さと恥ずかしさに、身悶えする。
「ワシは優しいやろ。ちゃんと段階を踏んだっとんのやぞ」
男が指を出し入れし始めた。
「うわあ」
ものすごい異物感に、耐え切れず喚き散らす。
「こらえ性のないやっちゃな。これくらいでいちいち反応すな。いきなりワシのチンポ入れたらお前のココが裂けるやろ。準備したっとんのや」
男は空いた手で遙の髪の毛を掴み、顔を仰向かせた。
「感謝せえよ」
髪を掴んだまま耳元に囁く。
男は指をずぶずぶと深くまで進入させてそこで留める。
「い、入れないで下さい。これ以上、入れないで下さい…」
「あかん」
男は指を、再び激しく動かし始めた。
「うわああああっ」
「往生際の悪いやっちゃ」
男は、遙の後門のきわまで指を引き抜き、次に押し拡げるように指を2本入れた。
「あああっ」
さんざん弄られたせいか、遙の後ろは2本を容易に受け入れた。
情けなくなり、涙がぽろぽろと出た。
腸が収縮しようとするのに、栓でふたをされて出来ない。腸の呼吸が塞がれたような感じがする。
下半身が、自分のものではなくなり、他人の支配を受けている。
まるで串ざしされた蛙のようだ。
「お前、ぎゅうぎゅう締めつけて来るぞ。ひょっとしてええのんとちゃうか」
からかうような口調でそう言うと、男は2本の指を出し入れし始めた。
狭い腸の壁を無理矢理押し拡げられる気持ちの悪さに、吐き気がした。
痛みよりも異物感がまさった。
指が引いて行く時の、腸を引きずり出されるような感覚に、身体全体が悪寒で震えた。
「うう、うう、うう」
声が、こらえようとしても自然に咽喉からついて出る。こらえようという気持ちも遠のいた。
男の抽走は小刻みになり、容赦なく遙の奥を突く。
突かれると咽喉の奥から腸の内部のものが飛び出しそうだ。
「指3本入らなチンポ突っ込めへんな」
男が3本目を入れようとした。
「堪忍して下さい。もう堪忍して下さい…」
「アホか、これからがええとこや」
男は苦労していたが、既に入っている2本の指を内部で広げ、入り口を柔軟にさせた。そしてもう1本を添えて、狭い入り口をこじ開けようとする。
「いやだっ…」
男が体重を乗せて、無理矢理3本を捻じり込んだ。
「うわあああっ」
「ちゃんと入ったがな。えらいぞ」
男は再び遙の髪を乱暴に掴んで仰向かせ、そう耳元に囁いた。
入り口が狭いので、入れたなりで動かしづらい。抽走をせず、奥に入れたまま指をぐりぐりと回転させた。
「ああっ、ああっ」
知らないうちに、声が上ずっていた。