あすかコミックスDX
| 牡牛座の恋人 中田雅喜 角川書店 1995年 2007/6/20 |
この漫画はJUNEがまだコミックや小ジュネや大ジュネやらに分かれていなかった頃(今どうなっているのか知らない)のJUNEに連載されていた漫画で、中田雅喜はラフでワイルドな画風で、少年漫画のような迫力あるストーリーの漫画を描いた。
剣と翔平シリーズ4という風に位置付けられていて、剣と翔平を主人公としたシリーズのサイドストーリーというか、番外のような物語になっている。
ニューヨークが舞台で、本編の脇に登場するオリバー・メイフィールド神父と彼を見守る刑事ビリーの物語。
シリーズの中で私はこの美形の神父オリバーが主人公になっているこの作品集に収められている一連の作品が一番好きというか、これだけが好きなのだ。
スラム街で孤児たちの救済にあたっているオリバー神父には秘密があった。もとは男娼だったという噂。それは本当なのか。
彼を見守るビリーは惑わされ…金髪で緑の目の色っぽい神父が陵辱されたりされかかったり、でも最後はオリバーとビリーとのロマンチックな展開になり、まるでアメリカ映画を見るような素晴らしいラブシーンが。余韻もみごと。
90年代のホモ漫画でどのような位置付けになるのかは私には分からないが、名作であると思う。
併録されている「刺青」という短編(これも本シリーズと関連したサイドストーリー)は、やくざの息子が刺青を入れるという話だが、あとがきで「松田修が『雪華葬刺し』の続編のように面白かった」と感想を言ったというだけあって、とてもリアルで興味深い内容になっている。
「雪華葬刺し」はもちろん、赤江瀑の名作短編。シリーズのもうひとつの作品集に収められている妖しいお香の秘密を巡るやくざの話も、非常に面白く素晴らしかった。