角川文庫
| アレキサンドライト 山藍紫姫子 角川文庫 2006 2006/3/18 |
角川文庫は、山藍女史の版権切れの作品を片っ端から文庫化することにしたようだ。
そんなわけで角川から山藍女史の小説が出るのはこれで確か3作目。多作の彼女だから、これからも期限切れの作品が角川から発売されるかもしれない。
この小説「アレキサンドライト」は、私の苦手な架空の国(ヨーロッパ系)の話。
主人公がシュリルとマクシミリアンという名前。国がエスドリアとか、アナイス国(違ったかな)とかいう、何だかお尻の痒くなるような…。しかしそんなことを言っていたのではボーイズラブを読めません。
どうもルネサンスよりもあと、近世か近代の感じがする。聖母信仰とか、自殺は大罪、などという言葉が出て来るので、キリスト教文化圏(笑)のようである。
シュリル(受け)の名前がフランス風、マクシミリアン(攻め)はドイツっぽい名前なのでどうやらそのあたりの国がモデルのようだ。神聖ローマ帝国…いやプロイセンの頃か。
この小説は、「両性具有」を扱っていて、そういう意味ではルール違反すれすれなのだが、BLでは意外とこの「両性具有」テーマは多く、好まれている。
BLを読む女性が、いかに主人公(受け)に自分の気持ちを重ねて読んでいるかの現れだと思う。
要するに、受け主人公は、自分(女性)の身代わりなのだ。見て来たようなふたなりの描写は、けれども私にはいま少し抵抗がある。やっぱりあまりにも嘘があると、どうしても乗れないのかもしれない。
お話自体はよく纏まっているが、男性(マクシミリアン)が、主人公を手放してしまう心理はちょっと謎。
ただこの攻め主人公マクシミリアンは魅力的に描かれている。人気も高いらしい。それにしても、やはり両性具有というキャラクターは、ちょっとズルイというか、アウトなのでは?という気が拭えない。
あえて両性でなくても、女性でもいっこうに差し支えないからだ。
設定で、一応シュリルが男性であるという必然性が説明はされているが、苦し紛れだ。
何度も言うように、私は痛いのが苦手なので、あまり苦痛や、そういったものを強調されるのはいやだ。でも、これは「男同士のハーレクインを目指した」というだけあって、まあまあロマンチックな展開になっている。
著者HP 山藍紫姫子の世界